円弧を意味する記号、⌒
幾何学で円弧を意味する記号は文字コードが与えられています。あなたのブラウザでの表示はこちら、「⌒」です。
Wikipediaにも項目が有る
この記号はWikipediaにも記述があります。こちらです。
こちらによると、文字規格の世界標準Unicodeでの符号位置はU+2312、日本の文字の標準規格JIS X 0213では1面2区62点に収録されているそうです。JIS X 0213に準拠した日本語用のフォントが端末にあれば⌒の記号は出て来ることになります。
また、こちらのJIS X 0208コード表によるとJIS X 0213の前身であるJIS X 0208にも1983年の改訂時から同じ2区62点に収録がされています。基本、日本語が読める端末を使っている人ならば、⌒の記号は出て来ることになりますね。
proflineって?
HTML公式の実体参照一覧のページを検索してみると上記のU+2312の文字は、proflineという名称で登録されていることが分かりました。
一方、Unicode公式ページのCharacter Code Chartsという所から、先ほどの符合位置U+2312を検索してみるとこちらでは普通に円弧を意味するArcという名称で登録されています。
なぜHTMLの実体参照ではArcとは全然異なるproflineという名前なのでしょうか。気になったので調べてみました。
設計図面に使われる概念、幾何公差
幾何交差(あるいは単に公差とも)という概念があります。設計図を描く際に使われるものです。proflineとは、ここで使われる記号の一つ、線の輪郭度を意味するproflie of lineの略でした。
設計図には何かを作る際の正確な数値が記されますが、たとえ機械で作っても実際の製品と設計図の指示する内容にはわずかな誤差が有ります。そこで、設計図との誤差がどのくらい許容できるのかを記載したものが幾何公差です。幾何公差もWikipediaの項目が有ります。こちらです。
こちらから幾何公差の記号一覧表の一部を頂きました。
結局、幾何公差で使われる線の輪郭度の記号が半円で、これが幾何学の円弧の記号と同じと見なされ、一つにまとめられたというわけですね。
MathMLで弧を出す
この⌒
で⌒が表示できるわけですから、HTMLでも簡単に使うことができますね。
一応MathMLを使うと、文字の上に重ねられます。あまり綺麗にはならないですけど。この様な記述になります。
<math><mover><mi>AB</mi><mo>⌒</mo></mover></math>
この方法で描いた弧ABのあなたのブラウザでの表示はこちらです。→
まとめ
今回も超超ニッチな話題になってしまいましたが、円弧の記号のHTML実体参照について調べました。同じことを疑問に思った方にいつか届きます様に…。
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