高校の時から読みたいと思っていた参考書
難しいということで有名な英文解釈の参考書、「思考訓練の場としての英文解釈」全三部作を2周読み終えました。一部気に入らないところもあるけど、結構長いこと読んで力がついたと思うので、記事にしてみようと思いました。
憧れの参考書
高校の時にすごく難しい参考書があると聞いて、いつか読んでみたいと思っていました。社会人になってから、趣味としての英語の勉強で手に取ってみた形です。
巷でよく難しいと言われるこの本なのですが、難しすぎたら、また英語を勉強して戻ってくるというような読み方をすれば十分いつかは攻略可能な本だと思います。ただ表現がすごく古い感じなので日本語自体が読みにくいと思います。字が細かくびっしり書いてあるので、全て読みこなすのはやっぱりかなり大変です。
2周読んだと書きましたが、この本で勧められているサブノートの作成等はやっていません。それに和訳も書いたわけではなく、英文を頭の中で理解し、ただ読み進めただけです。それらをやっていたら、僕の人生が先に終わってしまいます。ただ、読み進めただけでもある程度力がついたと思っています。まぁ、楽しみのための読書の一環と言うことで。
もはや受験というより翻訳家向けかも
著者は多田正行先生という方です。この先生の訳語に対するこだわりはものすごくて、高校生の英文和訳のレベルははるかに超えていると思います。これは、あくまでも英文そのものの難易度からくるものと言うより和訳の訳語へのこだわりという感じです。もちろん、英文自体も難しいものはたくさんあります。ただ、そこからさらに先の和訳が待っているわけで、そこに徹底したこだわりがあるのです。
僕は東大を出ていないので全然説得力はないのですが、東大合格者でもこのレベルには達していない人の方が多いのではないでしょうか(達している人もいるとは思います)。だって18歳でこの領域にたどり着けって言うのは流石に無理がありすぎると思うんですよね。
この参考書をサラッと終わらせられるならいいと思いますが、時間がかかる様ならもっと幅広く色々な事を勉強した方がいいと思います。受験に限らずその方が役に立ちます。そういう意味では、僕も人生の時間を無駄にしていると言えばいるのですが、まあ趣味ということで。
叱咤激励?パワハラ?
これもこの本の事を知っている人にはお馴染みですが、この先生は誤訳をした受験生をとんでもなく口汚く罵ってきます。
3巻のラストで、苦学生だった過去を明かし、「叱咤激励」は受験生の発奮を促すためという趣旨のことが書いてあるのですが、僕が思うに、怒鳴る人、陰湿な叱責をする人というのは結局本人がそういう性質だということなのだろうと思います。いずれにせよこの文章の誤訳例に対する態度は今の基準だと完全に炎上、引責辞任ものです。
後、万引きを武勇伝の様に語っているのも引いてしまいましたね…。まあ僕、っていうか現在の平均的世帯とは比較にならないくらい貧しい家庭の出身の方なので、苦学生だったというのは大変だった所だろうとは思いますし、許される時代背景も有ったのかもしれませんが…。別に万引きを当たり前の様に吹聴することが正当化されるわけではないのかな、と。まあ、僕の親より年上の人だと思うので、時代の変化なんですかね。
ただ、経済的不安なく勉強に没頭できることは幸福なことである、というのは本当に異論の余地の無い事実だと思います。
多少話が前後しました。誤訳例を山の様に並べて、嬉しそうに罵倒していく(僕の感覚では、そこには狂気じみたものが感じ取れます)のですが、誤訳は結局意味が分かっていない人が書いているものなので、あまり一生懸命読んでいても得るところは少ないです。読み飛ばし推奨ですね。内容の解説をしているところだけ読みましょう。まあ確かに添削をしていてトンチンカンな誤訳を次から次へと読まされた日には一言二言文句を言いたくもなるかもしれませんがね…。
時代の変化とともに、許される行動の尺度も変化するということを垣間見れるというのが、ある意味で、この本の一つの見どころなのかもしれません。
もちろん高校生をただ罵倒するだけの本ではないです。もしそうならこんなに有名な参考書になってはないです!それでも(と言うか人によってはだからこそ)ちゃんと読む価値はあります。
まとめ
何だか僕も悪口ばかりになってしまいました。故人に失礼だったかもしれませんが、著者の悪口はこんなレベルじゃないです😅
「思考訓練の場としての英文解釈」、英語好きなら得るところはある本だと思います。文を読むだけなら英検一級を越えるレベルくらいだと思いますが資格試験を受けるなら普通にその問題向けの勉強をした方が良いです。あくまで趣味、あくまで「思考訓練」のために、気になった方は読んでみましょう!
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