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テトリスのSuper Rotation Systemを理解して覚える

2024/10/19

※本記事は、テトリスの攻略情報をまとめた巨大wiki、Hard Dropの、SRSのページを参考にしています。

全てのテトリミノの回転軸と回転時姿勢一覧の画像
テトリミノ全種類の回転軸を表した画像。白い円が回転軸を表している。Tepples氏により作成。
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☝️この図は何度か出てきます。

テトリスとSRS

僕の趣味の一つはゲームのテトリスです。テトリスをある程度やっていて攻略情報なんかを見る様になると、回転入れの技術と、テトリスの回転入れの規則であるSuper Rotation System (SRS)についての情報に触れることになると思います。

テトリスの攻略情報はネット上に溢れていますが、このSRSは複雑なルールな上にパターンも非常に多いため、あまり詳しい解説がない様に思います。そこで、自分なりに、分かりやすくなる様な考え方を加えてまとめてみることにしました。もしもこのページに辿り着いた人の役に立てば嬉しいです☺️

はじめに用語集

テトリスをたくさんやっている人には初歩的なことかもしれませんが意味が分からない人もいると思うので書いておきます。

テトリス(Tetris)とガイドライン(Guideline)

テトリスは言わずと知れた落ちものゲームの元祖です。様々なところで移植されていますが、著作権フリーではないのはもちろんのこと、商標登録がされています。版権元は、その名もテトリス社です。また、ガイドラインというテトリス社が作った公式ルールが有ります。

テトリスがどんなゲームであるかに始まり、フィールドの幅や高さ、どんな風にゲームが進行していくかなど事細かに決められています。テトリスの名を冠してゲームを作成する際にはこのガイドラインに則らなければいけません。今回話すSRSも、このガイドラインに決められています。

ちなみに、Tetrisと、Tetrimino、T-Spin(後の2つは後述)の3つは登録商標です。移植ゲームを作る場合、この3つの言葉のどれかをゲームに盛り込んではいけないということですね。

以降では、全てガイドラインに従ったテトリスの話をしていきます。

テトリミノとテトロミノ

テトリスで落ちてくるブロックは7種類有って、全て正方形のマスが4つつながった形をしています。この様な図形を英語でテトロミノと呼び、これは一般名詞なのですが、テトリスでは、テトリミノと呼びます。商標登録されているので、何かテトリスと関係ないゲームで4つのマスがつながった図形を出すとしたら、テトリミノではなくテトロミノと呼ばないといけないんですね。

このページでは、基本的にテトリスの話をしているのでテトリミノと書くことにしておきます。また、ミノと略して書く時もあります。

テトリミノは最初に出した図の通り、7通りあります。それぞれアルファベットで呼ぶことが決まっています。最初の図を再度出しておきます。図の上から順にI(水色)、J(青色)、L(橙色)、O(黄色)、S(緑色)、T(紫色)、Z(赤色)と呼ばれます。この図はアルファベット順に描かれている様ですね。

全てのテトリミノの回転軸と回転時姿勢一覧の画像
上から、I、J、L、O、S、T、Z。

テトリミノの回転軸と回転ボタン

先ほどの図で、全てのテトリミノが4つ描かれていますが、これは回転ボタンを押した時の姿勢を表しています。一番左に描かれているのがミノが出てきた直後の姿勢です。いつもミノはこの姿勢で出てきます。これをこのページでは勝手に「発生時姿勢」と呼ぶ事にします。以降は右回転ボタンを押していった時の姿勢を表しており、それぞれ、右回転姿勢、2回転姿勢、左回転姿勢と呼ぶ事にします。

(ガイドライン上は、ここでいう発生時姿勢を「北」と呼び、以降右回転するたびに「東」「南」「西」と呼ぶそうです。個人的に分かりにくい表現方法だと思ったのでここでは上の呼び名で行きます。)

また、発生時姿勢を0、右回転姿勢をR、2回転姿勢を2、左回転姿勢をLと略して書く時があるものとします。

また、以降右回転ボタンを押してミノを右回転させることを㊨、その逆を㊧と略して書くことがあります。

全てのテトリミノの回転軸と回転時姿勢一覧の画像
一番左が0。そこから㊨していくたびに一つずつ右の図に変わっていく。順に、R、2、L。Lの状態で㊨すると0に戻る。逆に0から㊧していくとL→2→R→0とこの図の左方向へ移動していく事になる。

T-Spin

SRSの話をするだけならばこれは話さなくても良いのですが、テトリスの重要テクニックの一つなので話しておきます。

Tミノだけは、回転入れをすると特殊なボーナスがあります。これをT-Spinと言います。また、回転入れするだけではなくライン消去をすると、通常のライン消去より大きなボーナスがもらえます。なので、大体の上級プレーヤーはこれを目指す事になります。これも、ガイドラインで決められているプレーです。一見難解ですが、これのおかげでテトリスの幅が一気に広がって面白いゲームになったと個人的に思っています。

判定の基準は以下です。

  • 置いたミノがTである事
  • Tを回転させて、その直後に(回転後落下や移動をせず)固定される事
  • Tの回転軸に斜めに隣接しているマス、つまり右上、右下、左下、左上の4つのマスの内、3つ以上が別のミノや壁、地面で埋まっている事

具体的にT-Spinをしている画像はこちらです。

典型的なT-Spinの画像
典型的なT-Spinの画像。回転軸のマスの右下、左下、左上の3マスが埋まっている状態となっていて、T-Spinの基準を満たしている。ライン消去が無くてもボーナス点が入り、またこの状態で2列消去出来れば、T-Spin Doubleとなり大きな得点が入る。
画像はWikipediaのテトリスのページより。Hossy氏により作成。
License: CC BY-SA 3.0
T-Spin Tripleの画像
SRSを用いたT-Spinの画像。回転軸のマスに斜めに隣接する4マス全てが埋まっている状態となっていて、T-Spinの基準を満たしている。ライン消去が無くてもT-Spinのボーナス点が入るのはもちろん、この状態で3列消去出来れば、T-Spin Tripleとなり、非常に大きな得点が入る。
画像はWikipediaのテトリスのページより。Hossy氏により作成。
License: CC BY-SA 3.0

この様なT-Spinをしていくためにも、SRSの理解が有ると役立ちます。

SRS(Super Rotation System)

それでは、いよいよここから本題、SRSについての話題に移ります。これもガイドラインに決まっており、現在世の中で発売されているようなテトリスでは必ずSRSが導入されていることになります。

SRSとは、この見出しに書いてある通り、Super Rotation Systemの略です。すっごい回転の仕組みという事ですよね。この仕組みのあるテトリスでは、壁際でテトリミノを回転させると、ミノがずれたりします。

なぜSRSが有るのか

このSRSがある理由は、小さな溝を越えられる様にしたり、接地してからも回転できる様にするため、だそうです。ガイドラインに記載されていました。これがある事で上記のT-Spin Tripleの様な、アクロバティックな技が使える訳ですね。

SRSの座標移動一覧

一応、前述のHard DropにはSRSの軸移動を全て表にしたものが書いてあります。SRSはJLSTZミノの5種類と、Iミノで変わります。JLSTZミノは、0姿勢で幅が3のテトリミノとも言い換えられそうです。一つ重要なこととして、Iミノは左右非対称の動き(回転方向関係なく、左が先、右が後という様な)であるのに対し、JLSTZミノは左右対称な動き(㊨すれば左に軸移動、㊧すれば同じ距離だけ右に軸移動、という様な)をすることになります。ここはSRS理解の第一歩なのでしっかり理解しましょう。

JLSTZミノの軸移動

まずはより分かりやすいJLSTZミノの軸移動を表にまとめました。この表だけでは意味が分かりにくいと思いますが、だんだんと理解できると思います。ご覧下さい。

JLSTZミノのSRS
Hard DropのSRSのページの“Wall Kicks”より
Test 1Test 2Test 3Test 4Test 5
0→R(0,0)(−1,0)(−1,+1)(0,−2)(−1,−2)
R→0(0,0)(+1,0)(+1,−1)(0,+2)(+1,+2)
R→2(0,0)(+1,0)(+1,−1)(0,+2)(+1,+2)
2→R(0,0)(−1,0)(−1,+1)(0,−2)(−1,−2)
2→L(0,0)(+1,0)(+1,+1)(0,−2)(+1,−2)
L→2(0,0)(−1,0)(−1,−1)(0,+2)(−1,+2)
L→0(0,0)(−1,0)(−1,−1)(0,+2)(−1,+2)
0→L(0,0)(+1,0)(+1,+1)(0,−2)(+1,−2)

この表は、テトリミノが回転時に壁や地面、他のテトリミノなど障害物に当たった際、どちらにずれるかをまとめたものです。

横軸のTestと書いてあるものは、テトリスが内部でテトリミノの回転を試みる過程を表しています。Test 1はいずれも回転軸中心でずれのない回転です。Test 1で何かの障害物に当たってしまう場合はTest 2を行うこととなります。そしてTest 2もだめならTest 3、と試していき、Test 5までの全てがだめなら回転できない、となるわけです。

表に書いてある数字は、1文字目が右側を正として何マスずれるか、2文字目は上を正として何マスずれるかです。例えば(−1,+2)とあるならば、左に1マス、上に2マスずれることを意味しています。これは数学のxy座標と同じですね。以降このずれのことを、シフトとも呼ぶことにします。

Test 1は回転軸での普通の回転ですから、覚える必要性がありません。Test 2から5までの4つを覚えれば良いです。

一方縦軸は発生時姿勢からの右回転(0→R)から始まり、考えられる8通りの回転を表しています。姿勢が0、R、2、Lの4通り有り、回転ボタンが㊨、㊧の2通りですから合計2×4=8通りです。

SRSの特徴として、Test 1から5にかけて、徐々に距離が伸びていくことは記憶すべきポイントです。

まず発生時姿勢から

まず発生時姿勢の表を見てください。ここで、0→Rと0→Lの様な左右対称の回転は左右対称、上下移動は同じですから、とりあえず表の0→Rだけ見ていけばいいです。Test 1は当然(0,0)です。それ以降は垂直移動のものもありますが、横移動がある場合は全て左に移動することがわかります。逆に0→Lは全て左右移動が逆になっていることが分かります。ですから、㊨したら左シフト、㊧したら右シフト、とこれをまず覚えてください。

Test 2は1マス横移動

0→RのTest 2は(−1,0)ですよね。つまり1マス左移動です。なぜこうなるのかについて、僕は右回転したテトリミノは、左端の穴に差し込める形になる、だから右回転したテトリミノが左にずれたら便利だから、と覚えています。

逆に、発生時姿勢から㊧したテトリミノは右にシフトします。

Tミノが右回転して左に1マスずれる様子
発生時姿勢のTest 2の例。右回転すれば左1マスシフト。逆に左回転すれば右に1マスシフトとなる。

Test 3は斜め一個上

0→RのTest 3は(−1,1)です。つまり、左斜め一個上に移動したと言えます。テトリミノを平らな床に設置した状態でも回転させる様にするためには上に移動させるシフトが不可欠です。ですからTest 3で上に行くのは、接地した時にも回転できる様にするためと覚えましょう。

斜め上に移動するので、接地した状態からでも回転できる。
Test 3で斜め上に行くため、接地した状態からでも回転できる。

Test 4は2個下

0→RのTest 4は(0,−2)です。これは真下に向かうため(左右の移動が無いため)、この回転と左右対称である、0→Lでも同じになります。Tミノではこの様な回転はできないのですが、例えばZミノではこれをうまく利用して真下に瞬間移動させることができます。

Zミノを右回転させて2つ下に移動させている画像
Zミノが2つ下に移動している。Test 1から3では回転が不可能なことに注目。

どんなSRSでも、Test 2から5の間に必ず上方向へ移動する時も有れば下方向へ移動するものも有ります。ですから、発生時姿勢からのシフトではTest 3が上方向でしたからTest 4以降は下方向なのです。Test 4は2個下、と覚えましょう。

Test 5は2個下行って1個横

Test 5では2個下移動、1個横移動で、横への移動方向は、Test 2や3と同じです。これは、T-Spin Tripleの時と同じ移動です。

Tミノ発生時姿勢からの右回転でTest 5の移動をしている画像
Tミノを発生時姿勢からの㊨で2マス下にシフト、1マス左にシフトさせている。
T-Spin Tripleの回転。

最後には唱えて覚える

結局ここまでの内容を覚えるには、声出しが一番です。ええ、最後は力技です。Test 2から5までの4つを覚えればいいので、唱えなければいけないのは全部で4つ。発生時姿勢から㊨した時のシフトは、左!左上!2個下!2個下行って左!ですし、㊧した時のシフトは右!右上!2個下!2個下行って右!です。

どちらか片方を覚えてすぐに出てくる様にしておけば良いでしょう。そうすれば後の7つは全てそれを左右逆にしたものか、上下逆にしたものか、左右も上下も逆にしたものか、のどれかなのですから。

右回転姿勢と左回転姿勢の覚え方

当然ながらTest 1はシフト無しですから、Test 2からいきます。ポイントは右回転姿勢からは㊨しても㊧しても右シフトですし、左回転姿勢からも㊨しても㊧しても左シフトだということです。

Test 2は1マス横移動

これも直感的に理解しやすい考え方としては、㊨して左端の壁際に寄せたテトリミノはどちらに回転させても、右に1マスずらさないと、壁にめり込んでしまうということです。ですので、1マス右にずれると覚えましょう。㊧した後のTest 2が左シフトなのも同じ理屈です。

右回転して左の壁に接したTミノの画像と、発生時姿勢と2回転姿勢の画像
右回転して壁にくっつけた状態から回転したら、右に1マスずれないと壁にめり込んでしまう。

Test 3は斜め一個下

これは回転入れで頻繁に出現します。具体例をいくつか図で紹介します。この辺りは回転入れを具体的に覚えていったほうが早いです。

JミノやSミノを回転入れしている画像
JミノはR→0の回転入れ。SミノはR→2の回転入れ。いずれも右下にシフトしている。

Test 4は2個上、Test 5は2個上行って横

発生時姿勢からの回転はTest 4以降で下にシフトしましたが、RやLからはTest 4以降で上にシフトします。回転入れというよりも、Test 4は真上への移動なので、壁を乗り越えたり、テトリミノを上げる事による時間稼ぎなどに使われることが多いと思います。Test 4は真上への移動なので、特によく使われると思います。

上に2マス上がるTミノの画像
テトリミノを浮かせる事が出来るため、時間稼ぎがしばらく出来る。

一方、Test 5は、真上への移動が出来ない状態であることを意味しますから、滅多に出現しないシチュエーションだと思います。

最後にはやはり、唱えて覚えましょう。

右!右下!2個上!2個上行って右!です(㊨姿勢の場合。㊧姿勢の場合は左右が逆ですので必要な場合はそちらも唱えて覚えましょう)。

2回転姿勢の覚え方

表を見ると、2回転姿勢からの0→Rと2→R、0→Lと2→Lが全く同じで、一見同じシフトと感じますが、0→Rは㊨なのに対し2→Rは㊧、0→Lは㊧なのに対し2→Lは㊨ですから、プレイ中の感触としては発生時姿勢とはちょうど左右が逆になったと感じます。つまり、2回転姿勢からのシフトは回転ボタンの方向へのシフト、後は発生時姿勢と一緒です。発生時姿勢のシフトを暗記していればできると思います。

2回転姿勢からのシフトを使った回転入れはマニアックなものばかりなので普通のプレイではお目にかからないと思いますが、一部のT-Spinでは使われるそうです。

次の図はT-Spin Neoと呼ばれるものです。だいぶ難しい形ですがそのまま入れるよりこの様な回転入れを利用した方がT-Spin判定となり得点が上がるんですね。参考: harddrop.comのPolymer T-Spinsのページ

T-Spin Neoの画像
T-Spin Neo。T-Spin Doubleと判定される。

JLSTZミノのまとめと、暗記すべき事項

  • 発生時姿勢は回転ボタンの逆にシフト
  • 右回転姿勢と左回転姿勢は、その名前の方向にシフト(どっちの回転ボタンを押しても同じ)
  • 2回転姿勢は回転ボタンの方向にシフト

この意味がよく分かれば、JLSTZミノのシフトは完成です。

Iミノの軸移動

Iミノはその形状に合わせた特有のシフトを見せます。まずは表を見てみましょう。

IミノのSRS
Hard DropのSRSのページの“Wall Kicks”より
Test 1Test 2Test 3Test 4Test 5
0→R(0,0)(−2,0)(+1,0)(−2,−1)(+1,+2)
R→0(0,0)(+2,0)(−1,0)(+2,+1)(−1,−2)
R→2(0,0)(−1,0)(+2,0)(−1,+2)(+2,−1)
2→R(0,0)(+1,0)(−2,0)(+1,−2)(−2,+1)
2→L(0,0)(+2,0)(−1,0)(+2,+1)(−1,−2)
L→2(0,0)(−2,0)(+1,0)(−2,−1)(+1,+2)
L→0(0,0)(+1,0)(−2,0)(+1,−2)(−2,+1)
0→L(0,0)(−1,0)(+2,0)(−1,+2)(+2,−1)

注目点として、Test 2と3ではいずれも左右移動のみになることが挙げられます。また、Test 2が1マスならその次は2マスです。発生時姿勢や2回転姿勢からは、回転前のIミノの左右両端まで動く様になっています。また、右回転姿勢や左回転姿勢からは、回転後のIミノの左右両端が元のIミノと重なる位置まで動く様になります。

また、Test 4と5では2マスの横移動と1マスの縦移動、もしくは1マスの横移動と2マスの縦移動となっています。縦横に1マス移動とかは無く、横が1なら縦は2だし、横が2なら縦は1です。これは、回転後のIミノの端のマスが回転前のIミノの端のマスまで移動し、あたかもIミノの端のマスを中心に回転しているかの様に見えるということを意味します。

言葉で書くと難しそうですが次から具体例を見ていくと理解しやすいと思います。

まず発生時姿勢から

Test 1から3まで

最初の図で、Iミノは発生時には下の辺の中心に回転中心が有る事が分かります。ここでは、0→Rの所を考えます。表を見ると、(0,0)のTest 1に対してTest 2では(0,−2)と左に2マス移動となっていることが分かりますね。これでIミノは壁に付く様なシフトをするわけですから、端に作った穴に放り込んで4列消し(テトリス)しやすくなるわけです。テトリスは基本的にはIを使って4列消しを狙うものですからね。

一方、0→LではTest 2が(0,−1)と左に1マス移動する事になります。つまり、発生時姿勢からのTest 2では㊨だろうと㊧だろうと左端まで移動するのです。

Iミノが左端の穴に落ちる画像
発生時姿勢からのTest 2のシフト。左に1マス、もしくは左に2マスずれる事で、左端の穴まで落ちる。

一方、0→RのTest 3では(+1,0)ですので右に1マスシフトです。また、0→LのTest 3では(+2,0)ですので右に2マスシフトです。これも、発生時姿勢からのTest 3では㊨だろうと㊧だろうと右端まで移動すると言えます。右側の壁に付けて右回転させた場合でも右端の穴に落ちる様に移動することが分かります。

Iミノが右端の穴に落ちる画像
発生時姿勢からのTest 3のシフト。右に1マス、もしくは右に2マスずれる事で、右端の穴まで落ちる。

つまり、発生時姿勢のTest 2と3は左、右と覚えましょう。Iミノの端まで移動するので何マスかは覚えなくても良いですね。

まとめると、Test 1から3までは以下の図の様になります。

IミノのTest 1から3の発生時姿勢のまとめ画像
発生時姿勢からのTest 1から3まとめ。左側が左回転、右側が右回転。なお、一番上の0の数字は発生時姿勢であることを表している。


Test 4と5は端を中心に回転して見える

次にTest 4では左右は必ずTest 2と同じ方向にシフトし、Test 5では左右はTest 3と同じ方向にシフトします。

次の図を見てみると、Test 4以降の2つのシフトは、いずれも回転軸が端になったと見ることができます。0→R、0→Lのいずれでも、左端での回転がTest 4、右端での回転がTest 5です。

Iミノの発生時姿勢からのTest 4と5の図
発生時姿勢からのTest 4では左端でそれぞれ㊨、㊧している様に見える。Test 5では右端で㊨、㊧している様に見える。

Iミノの発生時姿勢まとめ

結局まとめると、㊨ならば、左!右!左端で㊨!右端で㊨!ですし、㊧ならば、左!右!左端で㊧!右端で㊧!です。繰り返しになりますが左右シフトの場合はその時の端点までずれます。

2回転姿勢の覚え方

2回転姿勢からさらに回転する回転入れはあまり使うことがないと思いますが、地形によっては、Iミノを右端の穴に落としたい時に使うことがあります。これは、発生時姿勢から直接右端の穴に落とそうとしても、左にシフトしてしまって失敗してしまう様な場合です。この様な時には、左回転を3連続ですることにより、2→RのTest 2で落下させる事ができたりします。具体的に見ていきましょう。

Test 2と3

Test 2では、まず右端まで水平に移動します。そしてTest 3では左端まで水平に移動します。さっき見た発生時姿勢からとは全く逆で、2回転姿勢からの回転は右シフトが先なのです。一方、Test 2、3ともにIミノの左右端まで移動するということは全く同じです。

右端の穴に落としたいのに右端の穴に発生時姿勢から落とすのは不可能なシチュエーションを次の画像で作ってみましたので確認してください。

テトリスの穴に落としにくい状況
右端の穴にIミノを落とせばテトリスになるが発生時姿勢から回転してもテトリスになる穴の左側の穴に落ちてしまう。この様な場合は、どこかで㊧を2回してから右端の位置に持っていき、そこから3回目の㊧をすれば2→Rの回転となり、Test 2の右1マスシフトで右端の穴に落とせることとなる。

Test 4と5

Test 4と5でも、発生時姿勢からの回転と対照的に、Test 4で右端を軸とした回転をし、Test 5で左端を軸とした回転をしている様に見えることになりますね。

Iミノの2回転姿勢からのTest 4と5のまとめ画像
2回転姿勢のTest 4と5のまとめ。まずTest 4で右端での回転をし、Test 5で左端での回転をする。

2回転姿勢のまとめ

とにかく、2回転姿勢からのシフトは発生時姿勢と逆の順序で進むということを覚えるのが最大のポイントです。㊨ならば、右!左!右端で㊨!左端で㊨!ということになりますし、㊧ならば、右!左!右端で㊧!左端で㊧!です。繰り返しになりますが左右シフトの場合はその時の端点までずれます。

右回転姿勢と左回転姿勢の覚え方

Test 2と3

ここからはまた少し違う頭の働かせ方が必要になります。今まで見てきた、最初の2つ(Test 2と3)は水平にシフトして、最後の2つ(Test 4と5)は端点で回転している状態となる(と言うかそうみなして考えると覚えやすい)ということは変わらないです。ここで左右どちらに先にシフトするのかで頭が混乱しがちですが、㊨㊨や㊧㊧という様な2回転姿勢へ向かう様な回転入れは、Test 2で左にシフトし、その後3では右にシフトします。それとは対照的に、㊨㊧や㊧㊨の様な発生時姿勢に向かう回転をすれば、右シフトが先ということになります。いずれの場合においても、回転後のIミノの端のマスが元の位置のIミノに重なる位置までシフトするという事です。

発生時姿勢に戻すIミノと2回転姿勢にさせるIミノのTest 2の比較
上段がR→0とL→0のTest 2。右にシフトしている。下段がR→2とL→2のTest 2。よく使う2回転姿勢に向かわせる時のシフトが、左シフトが先。

覚えにくいですが、実際の回転入れについて覚える場合は、㊨㊨や㊧㊧という様な2回転姿勢へ向かう様な回転入れの方が㊨㊧や㊧㊨の様な発生時姿勢に向かう回転入れよりもずっと使う可能性が高いという事をまず考えるべきです。なぜならば、発生時姿勢に戻す回転ではIミノを立てて置いた時の下から3マス目にIミノが移動するのに対し、2回転姿勢に移行する回転では下から2マス目に移動するので、その分障害物とぶつかる事が減るのです。そのため、発生時姿勢に戻す回転では、Test 4以降のシフトに移行させにくく、左右に移動するだけとなってしまい狙った回転入れにならない事が多いと言えます。最もよく使う発生時姿勢からの回転は左シフトが先だし、よく使うR→2やL→2も、左シフトが先であると関連づけると覚えやすいです。

Test 4と5

Test 4と5では上下の端の点で回転することになります。これは回転入れでとても便利に使えます。

Iミノの右回転姿勢と左回転姿勢からのTest 4と5のまとめ画像
画像の上側が右回転のTest 4と5。下側が左回転のTest 4と5。回転入れでよく使うのは最下段の隙間に滑り込ませる回転。

右回転姿勢からでも、左回転姿勢からでも、Test 4と5は上下の端の点で回転している様な形になります。実際のテトリスで使えると便利な回転入れは、最下段に滑り込ませる様な回転入れです。Test 2と3の所で触れた様に、基本は㊨㊨や㊧㊧で回転させてこの回転入れを狙うことが多いと思います。

ただ、覚えるのが大変なのですが、㊨㊨や㊧㊧で回転させれば毎回Test 4以降の回転入れが出来るわけではありません。具体的には、下から3列目以上の左側が空いてしまっていれば、㊨㊨で回転入れはできません。その場合一番上の位置にTest 4で行ってしまいますからね。左上に行くようなシフトです。一方、それを鏡に映した様な、㊧㊧の回転は(Test 4が左下に行きますから)可能と言えます。

Iミノの回転入れができる場合とできない場合の比較
Iミノの回転入れしたい場面の2つの例の比較。上の例は、最下段を中心とした右回転で1段目に回転入れする事は不可能。下から3段目が空いているから㊧㊨の発生時姿勢に戻す回転ではTest 1で回転できてしまうから無理だし、㊨㊨でもTest 1から3までは全て無理だが、Test 4が左上方向のシフトなので、最上段を中心とする様な右回転となる。ここで回転できてしまう。
それとは対照的に、上の例を鏡に映した様な下の例は、㊧㊧とすれば最下段への回転入れが可能。

Iミノのまとめと、暗記すべき事項

一回で覚えるのは大変ですが、まず発生時姿勢からは左シフトが先であることを暗記するべきです。また、最下段に滑り込ませるタイプの回転入れはR→2やL→2の様に2回転姿勢に向かう回転入れでする方が良いです。2回転姿勢に向かう回転も左シフトが先で、Test 4は上下の端点のどちらかを中心として回転し、左側へ伸びていく様に見えるシフト(Test 5はその逆)、ということになります。これ以外のプレイはあまり暗記する必要はなく、2→Rや2→L、R→0やL→0は右シフトが先ではありますが、あまりお目にかからない様に思います。㊨㊧や㊧㊨で狙った回転ができる時は、㊨㊨や㊧㊧でも大抵同じ事ができますから。余裕がある方は、㊨㊨では回転入れできないが㊧㊨ならできるシチュエーションについて考えてみてもいいと思います。実際多くはないです。

余裕があればいつが右シフトになる場面かも覚えて完璧にしていくといいと思いますが、Iミノは他のミノ以上に具体的な回転入れをイメージしながら覚えるのがコツです。遊びながら何度かこの記事の内容に触れればだんだん意味が分かってくるのではないかと思います!!

終わりに

テトリスのSRSって本当に難しいものですね。では皆様、素敵なテトリスライフを!